オトナチック
「あー、何てこったパンナコッタ」

嘆くように言った後、杉下くんは頭を抱えた。

…何ですか、そのダジャレは。

と言うか、今ダジャレを言いますか。

と言うか、“何てこったパンナコッタ”って何ですか。

誰がそのダジャレを言い出したんですか。

何より、流行っているんですか。

ダジャレを考えるのはやめることにして、今はどうするか方法を考えよう。

そう思った時、私の頭の中にある言葉が浮かんだ。

――だから…和泉さんに父親と会って欲しいと、名古屋からここまできました

寺本さんがそう言っていたことを思い出した。

「――名古屋…」

思わず呟いた私に、
「えっ?」

杉下くんが聞き返した。
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