オトナチック
宿泊先のホテルは名古屋駅のすぐ近くにあるビジネスホテルである。

そこでシングルを2部屋とっている。

「こうしてホテルに泊まるのは、何だか久しぶりな気がするな」

そう呟いた後、私は窓の外の夜景に視線を向けた。

ホテルに泊まるのは、新一の事件の時以来だったと思う。

「残るは、明日と明後日の新幹線の時間までか…」

この2日以内に杉下くんのお父さんが入院している病院が見つかることを祈ろう。

「次は北区と昭和区と瑞穂区か…」

スマートフォンでリストアップされている病院の住所を確認しながら、私は呟いた。

「さて…明日も早いからお風呂に入ろう」

スマートフォンに充電器を差し込むと、バスルームへと足を向かわせた。
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