オトナチック
翌日。

私たちは8時にホテルを出ると、名古屋駅構内のマクドナルドで朝食を食べていた。

「二手に分かれて探さない?」

そう言った私に、
「えっ?」

杉下くんは聞き返した。

「昨日寝る前に思ったんだけど、二手に分かれて探した方が見つかるんじゃないかなって思って。

一緒にあちこちの病院を回るよりも、そっちの方が効率的にいいんじゃないかな。

ああ、見つかったら電話をするって言うことで」

説明をした私に、
「いい方法だと思うけど、大丈夫か?」

杉下くんが言った。

「大丈夫って、何が?」

聞き返した私に、
「何かあったらどうするんだよ。

例えば道に迷ったり、事件に巻き込まれたり…」

杉下くんは苦い顔をした。
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