オトナチック
「何より、見知らぬ土地で1人で捜索するって言うのは…」

そこで話を区切ると、杉下くんはカフェオレを口に含んだ。

「そんなに心配しないでよ。

道に迷ったら人に聞くし、最悪の場合はタクシーに乗るから。

それに、何かあったら杉下くんに連絡するわ」

そう答えた私に、
「その言葉、しっかりと耳に入ったからな」

杉下くんが言った。

「本当に何かあったら必ず俺に連絡しろ。

間違っても1人で行動しようと思うな。

この間の事件もそうだったけど、高浜は本当にそう言うところがあるから」

念を押すように言った杉下くんに、
「わかってるって」

私は返事をすると、ハッシュドポテトをかじった。

無口で無愛想で、そのうえどこか無関心なところがあるのに、変なところで心配性なんだから。
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