オトナチック
杉下くんはそこで言葉を区切ると、静かに笑った。
「あなたがつけてくれた“和泉”と言う名前も昔は嫌だと思っていましたが、今では俺の大切な宝物です。
あなたを本当に許すことはまだ時間がかかると思いますが、これから少しずつあなたのことを許して行こうと思っています。
何故なら、あなたはただ1人の俺の父親なのですから」
話し過ぎたと言うように、杉下くんは唇を閉ざした。
その唇が開かれて、音を発する。
「――俺を産んでくれて、ありがとうございます。
俺は今、幸せに生きています」
話が終わったと言うように杉下くんはお父さんのベッドに背中を向けた。
杉下くんがベッドから離れると、集中治療室から出て行った。
私も彼の後を追うように、集中治療室を後にした。
「あなたがつけてくれた“和泉”と言う名前も昔は嫌だと思っていましたが、今では俺の大切な宝物です。
あなたを本当に許すことはまだ時間がかかると思いますが、これから少しずつあなたのことを許して行こうと思っています。
何故なら、あなたはただ1人の俺の父親なのですから」
話し過ぎたと言うように、杉下くんは唇を閉ざした。
その唇が開かれて、音を発する。
「――俺を産んでくれて、ありがとうございます。
俺は今、幸せに生きています」
話が終わったと言うように杉下くんはお父さんのベッドに背中を向けた。
杉下くんがベッドから離れると、集中治療室から出て行った。
私も彼の後を追うように、集中治療室を後にした。