オトナチック
写真は何回も見ていたのだろう、角のところが丸くなっていた。
「8月20日に生まれたんだね」
写真の裏を見て話しかけた私に、
「ばあちゃんから聞いたんだけど、俺が生まれた朝は雨が降っていたんだって。
雨って言っても…まあ、いわゆるお天気雨って言うヤツだな。
空は雲1つない青空で、太陽も顔を出して燦々と照っていたのに雨が降っていたって言う不思議な天気だったらしい」
杉下くんが言った。
「へえ、本当に不思議だね」
私はお冷やを口に含んだ。
「降り出した雨が太陽に照らされて、それが宝石のようにキレイだったって…ばあちゃんが言ってた。
たぶん、俺の“和泉”って言う名前はそこからつけられたんじゃないかって言ってた。
最初は温泉の“泉”だけにする予定だったらしいんだけど、父さんがそれじゃ寂しいからって言う理由で自分の名前から一文字とって“和泉”ってつけたらしい」
杉下くんはそう説明した後、お冷やを口に含んだ。
「8月20日に生まれたんだね」
写真の裏を見て話しかけた私に、
「ばあちゃんから聞いたんだけど、俺が生まれた朝は雨が降っていたんだって。
雨って言っても…まあ、いわゆるお天気雨って言うヤツだな。
空は雲1つない青空で、太陽も顔を出して燦々と照っていたのに雨が降っていたって言う不思議な天気だったらしい」
杉下くんが言った。
「へえ、本当に不思議だね」
私はお冷やを口に含んだ。
「降り出した雨が太陽に照らされて、それが宝石のようにキレイだったって…ばあちゃんが言ってた。
たぶん、俺の“和泉”って言う名前はそこからつけられたんじゃないかって言ってた。
最初は温泉の“泉”だけにする予定だったらしいんだけど、父さんがそれじゃ寂しいからって言う理由で自分の名前から一文字とって“和泉”ってつけたらしい」
杉下くんはそう説明した後、お冷やを口に含んだ。