オトナチック
もう少し言うならば、杉下くんにイジワルをした。

私がこんなことを言ったら、杉下くんはどんな反応をしてくれるのだろうか?

「そうだな」

そう返事をした杉下くんに、
「えっ?」

私は驚いて聞き返した。

今、何て言ったの?

「父さんが入院している病院名もわかったし、次からは1人で会いに行くことにするよ」

笑いながらそう言った杉下くんだけど、私は笑うことができなかった。

少しだけ、期待をしていた。

また、その時も一緒にきて欲しい…と言ってくれるのではないかと思っていた。

そんなことを言うなよと、笑ってくれるのではないかと思っていた。

なのに、全て違っていた。

私の期待は、粉々に崩された。
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