オトナチック
2週間目を迎えた夜のことだった。

その日はいつものように、私は夕飯の後片付けをしていた。

杉下くんはテレビを見ていた。

それまでテーブルのうえに置いていた彼のスマートフォンが震え出した。

「もしもし」

杉下くんがスマートフォンに出た。

その瞬間、杉下くんの表情が変わった。

一体どうしたのだろうか?

「はい…」

そう返事をした杉下くんの声は震えていた。

「はい、そうですか…。

わかりました…。

わざわざ、ありがとうございました…」

杉下くんは呟くように返事をすると、スマートフォンを耳から離した。
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