オトナチック
「もう期待するのはやめようかな…」

期待すればするほど、傷つくのは私自身だ。

もうこれ以上傷つかないためにも、早く杉下くんから離れた方がいいのかも知れない。

「早く部屋を探して、ここから出よう…」

すっかり忘れてしまっていた部屋探しを、明日からまた始めよう。

そう決めた後、私はようやく渇いた喉にスポーツドリンクを流し込んだ。

告白の返事は、もう忘れることにしよう。

杉下くんも時が経てば、告白のことなんて忘れてしまうはずだ。

期待通りの返事がくるとは絶対に限らない。

聞かない方が…むしろ、忘れてしまった方がお互いのためになる。
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