オトナチック
部屋を出たとたん、みそ汁のいい匂いが漂っていることに気づいた。

もしかしなくても起きてるよね?

そう思いながらリビングに顔を出すと、
「おはよう」

青いエプロン姿の杉下くんがキッチンにいた。

「ああ、おはよう…」

あいさつをされたので、私は返した。

えっ、何で?

何でエプロン姿で、そのうえキッチンにいるの?

その場でつっ立って戸惑っている私に、
「何してるんだ?

早く用意して朝飯食べないと遅刻するぞ?」

杉下くんが声をかけてきた。

「あ、うん…」

私は返事をすると、すぐに洗面所の方へと向かった。
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