オトナチック
「高浜はわかってたの?

ばあちゃんが全て見抜いていたことに。

と言うか、いつから…」

そう聞いてきた杉下くんに、
「杉下くんがお父さんの葬式で名古屋へ行っていた時に全部聞いた」

私は答えた。

「つい最近か…。

となると、ばあちゃんは俺のウソにつきあってくれたと言う訳か…」

杉下くんはやれやれと言うように息を吐いた。

「高浜も黙っているくらいなら教えてくれればいいのに…」

仲間外れにされたことが不満だったのか、杉下くんは口をとがらせた。

「その方が杉下くんを傷つけなくて済むかなって思ったから」

そう言い返した私に、
「結果的にはそうなのかも知れないな」

杉下くんは納得をしたと言うように首を縦に振ってうなずいた。
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