オトナチック
「それだったら、私も和泉が作ったみそ汁を毎日飲みたい」

「人のこと言えねーじゃんか」

「だって、本当に美味しいんだもん」

「まあ、作ってやるけど」

ひとしきり笑いあった後、
「芽衣子」

杉下くんが私の名前を呼んだ。

「俺と結婚を前提につきあってください。

俺の本当の婚約者になってください」

杉下くんが言った。

その答えはもちろん、
「はい」

私は首を縦に振ってうなずいて、返事をした。

その返事に杉下くんは微笑んだ後、私の肩に手を置いてそっと抱き寄せた。
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