オトナチック
そして先日、私と杉下くんは結婚をした。

教会にお互いの友人と社員の人と私の両親を呼んで、結婚式を挙げた。

「よく似合ってるよ」

ウエディングドレス姿の私に、タキシード姿の杉下くんが声をかけた。

「ありがとう、和泉もよく似合ってるよ」

そう言い返した私に、杉下くんは嬉しそうに笑った。

「あの日からもう1年が経ったんだな」

杉下くんが言った。

「そうだね、あっと言う間にだったね」

私は答えた。

あの日に杉下くんに助けてもらわなかったら、今日の出来事はなかったかも知れない。

新一に別れを告げられて、家を追い出されていなかったら、私は杉下くんのことを好きになることなんてなかった。

ただの同僚として、杉下くんに接していたことだろう。

それが今では私の夫になったのだから、本当に不思議なものだ。
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