ほとんどパラダイス
「どうせ、『別れる』とか『終わり』とかって言葉もなしにフェードアウトするんでしょ?そりゃ~、ああゆう手合いがいつまでも押しかけてくるわよ。」
そう言ってから、困ってる上総んの額を指で弾いて言った。
「スケベ!」
上総んは額を押さえて、マジマジと私を見た。
そしてため息をついた。
「……確かに俺は助平だけどな、学美にはまだ言われたくない。」
どういう意味?
付き合ってる、ってさっき上総んが言ったのに……
婚約でもしない限り、束縛できないの?
いや、もしかしたら、歌舞伎役者なんて結婚したって一生束縛できないのかもしれない。
……そんな相手、嫌やわ……。
じとーっと見てると、ふっと上総んの頬が緩んだ。
「また、眉間に皺よってる。……俺、これでも初心者の学美をめっちゃ気遣って遠慮してたんだよ。でも助平って言われたから、遠慮するのやめた。」
そしてズイッと顔を近づけて鼻と鼻をくっつけて言った。
「今晩、覚悟しといて。身を以て、俺の助平をわからせてあげるから。」
何、言ってんのー!?
「もう!何なん!それ!信じられへんわ!阿呆ちゃう!?」
カウンターの向こうには寡黙だけど板前さんだっていらっしゃるのに、そんなこと言うな!
ワタワタする私を笑顔で見つめる上総んには、周囲は見えてないのかもしれない。
……恥ずかしすぎる。
せっかくのひれ酒の味が途中からわからなくなってしまったよ……もう!
宣言通り、上総んは、私が泣いても喚いてもイッても、やめてくれなかった。
むしろ私をイジメて楽しんでいるように感じた。
……上総ん、S?
あまりにも全力で暴れて体力を使い果たし、何度も寝落ちしたけれど、上総んは眠らせてさえくれなかった。
執拗に苛まれ、まるで自分の身体じゃないみたいな反応に、我ながら驚きっぱなし。
「上総ん、もうやだ。もう無理。」
何度もそう言って逃れようとしたけど、私の細過ぎるほどに細い体は簡単に捉えられ、激しく揺さぶられ、奥を穿たれた。
「気持ちいい、も、度が過ぎるとつらいのね……」
翌朝、身体中が痛かった……外も中も。
「やり過ぎた?ごめんごめん。」
朝の光を浴びて爽やかに言われても、ごまかされないから!
「筋肉痛どころの話じゃないから。どこもかしこも痛いから。」
実際、足と腰もガクガクしてて、上総んの腕にしがみついてやっと歩けてる状況。
「……だからもうちょっと肉ついたほうが……衝撃がクッションなしで骨に来るんじゃない?ちゃんとご飯もお菓子も食べるんだよ。フルーツやゼリーがよければ、それも送るから。」
まるで「田舎のおかん」のように、上総んは私の荷物にお菓子を詰め込んだ。
……こんなに食べられないのに。
松尾教授にあげよう。
「じゃあね。月末には京都に帰るから。待ってて。来月はめいっぱい遊ぼうな。」
東京駅で新幹線に乗り込むまで、上総んは私の荷物を持ってくれてた。
帰る、なんだ。
「自宅は東京にあって、京都はホテル住まいなのに、『帰る』なの?京都、好き?」
ちょっとからかうような気持ちでそう聞いた。
すると上総んは、ちょっと首を捻った。
「……いや。京都じゃなくて、学美?」
「はい?」
何、言ってんだ?
「学美の中に早く帰りたい。」
そう言って、上総んはスッと私のお尻に手を這わした。
そう言ってから、困ってる上総んの額を指で弾いて言った。
「スケベ!」
上総んは額を押さえて、マジマジと私を見た。
そしてため息をついた。
「……確かに俺は助平だけどな、学美にはまだ言われたくない。」
どういう意味?
付き合ってる、ってさっき上総んが言ったのに……
婚約でもしない限り、束縛できないの?
いや、もしかしたら、歌舞伎役者なんて結婚したって一生束縛できないのかもしれない。
……そんな相手、嫌やわ……。
じとーっと見てると、ふっと上総んの頬が緩んだ。
「また、眉間に皺よってる。……俺、これでも初心者の学美をめっちゃ気遣って遠慮してたんだよ。でも助平って言われたから、遠慮するのやめた。」
そしてズイッと顔を近づけて鼻と鼻をくっつけて言った。
「今晩、覚悟しといて。身を以て、俺の助平をわからせてあげるから。」
何、言ってんのー!?
「もう!何なん!それ!信じられへんわ!阿呆ちゃう!?」
カウンターの向こうには寡黙だけど板前さんだっていらっしゃるのに、そんなこと言うな!
ワタワタする私を笑顔で見つめる上総んには、周囲は見えてないのかもしれない。
……恥ずかしすぎる。
せっかくのひれ酒の味が途中からわからなくなってしまったよ……もう!
宣言通り、上総んは、私が泣いても喚いてもイッても、やめてくれなかった。
むしろ私をイジメて楽しんでいるように感じた。
……上総ん、S?
あまりにも全力で暴れて体力を使い果たし、何度も寝落ちしたけれど、上総んは眠らせてさえくれなかった。
執拗に苛まれ、まるで自分の身体じゃないみたいな反応に、我ながら驚きっぱなし。
「上総ん、もうやだ。もう無理。」
何度もそう言って逃れようとしたけど、私の細過ぎるほどに細い体は簡単に捉えられ、激しく揺さぶられ、奥を穿たれた。
「気持ちいい、も、度が過ぎるとつらいのね……」
翌朝、身体中が痛かった……外も中も。
「やり過ぎた?ごめんごめん。」
朝の光を浴びて爽やかに言われても、ごまかされないから!
「筋肉痛どころの話じゃないから。どこもかしこも痛いから。」
実際、足と腰もガクガクしてて、上総んの腕にしがみついてやっと歩けてる状況。
「……だからもうちょっと肉ついたほうが……衝撃がクッションなしで骨に来るんじゃない?ちゃんとご飯もお菓子も食べるんだよ。フルーツやゼリーがよければ、それも送るから。」
まるで「田舎のおかん」のように、上総んは私の荷物にお菓子を詰め込んだ。
……こんなに食べられないのに。
松尾教授にあげよう。
「じゃあね。月末には京都に帰るから。待ってて。来月はめいっぱい遊ぼうな。」
東京駅で新幹線に乗り込むまで、上総んは私の荷物を持ってくれてた。
帰る、なんだ。
「自宅は東京にあって、京都はホテル住まいなのに、『帰る』なの?京都、好き?」
ちょっとからかうような気持ちでそう聞いた。
すると上総んは、ちょっと首を捻った。
「……いや。京都じゃなくて、学美?」
「はい?」
何、言ってんだ?
「学美の中に早く帰りたい。」
そう言って、上総んはスッと私のお尻に手を這わした。