迷 ~これが全てのはじまりだった~
「いらっしゃい」
「ヒッ…」
突然、声をかけられ私の身体が大きく跳ねる。
急いで辺りを見渡したが、しわがれた声の主がまるで見当たらない。
薄暗い店内の中、徐々に慣れてきた私の目に飛び込んできた物に驚き息をのむ。
「………ッ!」
に、人形?
店内にはたくさんの人形が、ところ狭しと置いてあったのだ。
グルリと見回せば、百体以上の人形がいるの分かる。
呼吸をするのも忘れてしまいそうなほどの人形達の数の多さに、圧迫感を感じた。