蜜味ヴァンパイア~薔薇の花園~
血と薔薇の花嫁

#1

「‥‥う‥‥ん‥‥‥。」

ボクは、朝日の光で、微睡みながら目を開けていく。

「ここは‥‥‥?」

ボクは、ベッドの上に寝ていた。

そこは、豪華な部屋だった。

ベッドから起き上がり、部屋の中を見回す。

知らない所だった。

そして、ボクは、『自分の身体』の異変に気づく。

えっ!?

胸を触れば、膨らみがあり、柔らかな身体。

そして、銀色の長い髪。

「なっ、何で!?ボク、こんな身体‥‥、女の子になってるの!?それに、この『髪の毛』は‥‥‥‥!?」

ボクは、我が目を疑った。

だが、それは、紛れもない『事実』だった。

「どうして‥‥‥‥!?ボク、何かの病気なのかな!?」

頭が混乱して、そう呟いていた時だった。

「起きたか?」

低いハスキーボイスの『男』が、ボクに声をかけた。

「えっ!?うわっ!?」

ボクは、とっさに身体全体で身体を隠した。

だって、ボクは全裸だったのだ。

だが、全部は隠せない。

「フフッ。別に隠す必要はあるまい?」

クスッと笑う『男』の声に聞き覚えがあった。

ボクに痴態をはたらいた『あの男』だった。

ボクは、文句の一つでも言おうと、『男』を見た瞬間、『その男』の類い稀な美しい容貌に、ボォ〜ッとなってしまった。

金色に輝く髪に深い蒼の瞳。

ボクは不覚にも、『その男』に見惚れてしまったのだ。

あいも変わらず、深い冷笑を浮かべているが、
バスローブから覗く、厚い胸板。

男らしい身体。

男だった頃のボクにはなかったものを、『その男』は、すべて持っていた。

ドキンッ!!

ボクは、何と、ときめいてしまっていた。

相手は『男』なのに‥‥‥‥。

クソッ!!

ボクはどうかしてる!!

いくら、『イイ男』だからだって、何で、こんなにドキドキしてるんだ。

ボクが、そんなことを考えていた時だった。

「私の名は『ルイ』だ。お前は、そうだな。今日から『レイラ』と名乗れ!!」

そう横柄に『命令』してきた。

「ちょっ、ちょっと待ってよ!!何でそんなことをお前に『命令』されなくちゃならないんだよ!!」

ボクは抗議した。

すると、ルイは、さらに深く冷笑を浮かべると、驚くべきことを口にした。

「お前は、私の『薔薇の花嫁』だからな。」  






 











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