身分違いの恋
私、フィービー・ランベロウは、遠い昔からシードルフ家にお仕えしている家柄だった。
私の主な仕事内容はといえば、この屋敷の主になられたカーティス・シードルフ様の身の回りのお世話。
そして先ほどカーティス様がおっしゃられた、私が部屋を閉めない理由も、仕事のうちだった。
カーティス様の夜伽の相手。
それも私の仕事内容だったからだ。
だけど実際は、私がシードルフ家に仕えるようになってからのこの数十年。カーティス様に夜の仕事を命じられたことはない。
『扉を閉めて寝ろ』
カーティス様のお言葉はつまり、『今日も夜の仕事をしなくとも良い』そういう意味だ。
以前の私なら、何も知らない男性に夜の仕事を命じられるのは怖かった。
だけど今は違う。
そう思えるようになったのは、すべてカーティス様のせいだ。
カーティス様はとても凛々しくておいでだ。