身分違いの恋
そんな中、私は主のカーティス様に呼び出された。
そして彼から告げられた命令はとても残酷なものだった。
カーティス様から言い渡された命令。それは――。
「叔母のところへ養女に行ってほしい」
なに? それ……。
突然下された、主からの命令に固まっていると、カーティス様は話を続けた。
「叔母は、フィービー。君をたいへん気に入っていてね、女性としての身だしなみや教養。君に必要なものをすべて与えてくれるとおっしゃっているんだ。どうかな? 悪い話ではないだろう?」
どうかなってどういうこと?
私はカーティス様の従者だ。
私はこれからもずっと、シードルフ家に――如いてはカーティス様にお仕えするものとして生きてきた。
いくら叔母様がシードルフ家の血筋だからといって、私がお仕えしようとしている方はカーティス様ただひとり。