身分違いの恋

 その理由は、必要以上に私と一緒にいたくないと思われていたからなのかもしれないのに!!




 そういえば、なんでもカーティス様には好いた方がいらっしゃるとかいう噂を耳にしたことがある……。

 カーティス様のお歳は二十八。

 ご婦人がいてもおかしくはない歳だ。


 なにせカーティス様の兄上様は、二十歳に婚姻し、シードルフ家を切り盛りしていらっしゃったわ。


 もし、噂が本当なのだとすれば、カーティス様は身の回りを綺麗にして、ご婦人を迎え入れる準備をするでしょう。

 お優しいカーティス様のこと。想っている女性だけを側に置き、そしてご婦人が頭を痛めないよう、厄介事になりそうな無用なものは一切を排除するはず。

 そのためには、私が邪魔者になってくる。

 だって、夜のお相手をしなくても心から愛していらっしゃるご婦人がいるもの。



 ――ああ、カーティス様は私を邪険にしている。


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