短編 妄想ガール
「あのさ…。」
そう先に口を開いたのは日比谷くんだった
もしやこれは…!!
日比谷くんの方から
『一緒に帰らない?』
とか、誘ってくれたり?
誘ってくれるってことは
やっぱり日比谷くんも私のことが…!
ってことになるわけだよね?
じゃあ両想い?!
これをきっかけに距離が深まって
付き合う日もそう遠くなかったりして
私の妄想はどんどん先に進み…
結婚!!
子供は無難に2人がいいよね〜
3歳差にすると入学式とか卒業式が
被ったりするから4歳差がいいかも!
気づいたら結婚するところまで妄想してしまった。
でも、考えただけでも顔がほころぶ。
私は俯いていた顔を上げて
日比谷くんをみつめる
「何?!」
私は目を輝かせながら言う。
「腕。」
そう一言だけ言う日比谷くん
不思議に思いながらも
ずっと日比谷くんの腕を掴んでいたことに気づく。
「ハッ!!ごめん!」
私は慌てて離した。
「で?」
日比谷くんがそう聞く
そうだよね早く答えないと
チラッと日比谷くんを見ると
不思議そうに私を見ている
早く…!早く!
どうしよう。
そう思い慌てて出た言葉は…