短編 妄想ガール
ー…
「……。あ〜!
人違いだった!ごめん!ごめん!ハッハッハ!あ!じゃあ、また明日ね!本当にごめん!ハハ!」
そう作り笑いで誤魔化し
Uターンしてしまった。
歩いていて思う。
私も日比谷くんと帰る方向同じなのに
私どこに帰ろうとしてるのよ…。
しかも同じバス通。
降りる駅は私より3つ早い。
だから多分日比谷くんも
あいつどこ行くんだろ?
何か用事あるのかな?
とか、思ってるんだろうな。
いや、もはや私のことなんてもう考えてないか。
妄想が行き過ぎた。
だって結婚までいったんだよ?
人生のゴールイン勝手にしちゃったんだよ
私の悪いところはすぐ調子に乗ること。
あと、妄想が激しいこと。
仲のいい美波からは
『妄想ガール』
そう呼ばれてるほどだ。
そして帰ったらベッドの上にダイブして
今日あんな嘘をついたことを
ひたすら後悔するんだろうな。