幸せのかけら
はじまり。


1年ぶりの駅に懐かしさを感じ、人に埋もれながら響の姿を捜した。



"……響!!"



私の腕をそっと引っ張り、人気の少ない場所に連れていってくれた。



"私より早いなんて珍しい"


"…まぁ、今日くらいは。
浴衣、似合ってる"



そっぽ向く響に、こっちまで照れてしまう。



" 去年とどっちの方がいい??"


"からかうなよ、せっかく素直になったのに。
ほら、場所取り行くぞ"





今日は響の地元の花火大会。


そして、私たちのはじまりのきっかけの場所。




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