幸せのかけら
旅行のひとコマ。
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"……………………さむっ"
卒業旅行の第一弾、沖縄。
しばらく海にいたせいか、出ると少し肌寒い。
"響、サーフィン初めて?
すごい上手かった"
"経験者の匠に言われると、照れる"
今回はサークルのメンバーとの旅行。
試験も終わり、いつもよりはしゃいでるように思う。
"ーーーーーー他のやつは?"
"サーフィンに挫折して、あっちにいる"
匠の視線の先をみると、ビーチボール片手に知らない女と話してる。
"ーーーナンパ?"
"さあ? 行く?"
"いやパス。
もう少しサーフィンしたいし"
"ーーー山中さんがいるし?"
"………うるせ"
図星。
そうじゃなくても、わざわざ知らない女のところに行こうとは思わないけど。
"……匠、お願いがあるんだけど"
"なに?"
"写真撮ってくれね?"
ーーーふと、愛との会話を思いだし、匠にしかできないお願いをしてみる。
"……………いいよ。
ていうより、もう何枚か撮ってるけど"
"は?"
"響のサーフィン姿貴重だから。
波乗ったとこ、皆撮ってたから後でもらったら?"
"試験も終わって、皆浮わついてるんだよ。
響もいつもより写真撮ってるように見えたけど?"