幸せのかけら





"ーーーーーーはい、ストップ。
こいつ彼女以外にはとんでもなく冷たいから、遊んでも楽しくないと思うよ。
他あたってくれる?"

"えー、あなたも彼女いるの?"

"そう。俺も彼女以外論外。
じゃーね"





丁重に腕をはがし、海へ向かう。




"……お前、彼女いるのか?"

"いや、いないけど"




即答する匠をじーっと見ていると





"あーいうの苦手なんだよ、あからさますぎて。
それより今は男旅。
響だって女は彼女で十分だろ?"






その問いに頷きながら、愛に会いたい気持ちが込み上げてくる。
























"ーーーおい!
さっきナンパされてただろ"


サーフィンを思う存分堪能し、砂浜に戻ると
すぐ絡まれた。




"さあ"

"見てたんだからな!
羨ましい"

"声かけやすかっただけだろ。
シャワー浴びてくる"









レンタル屋にボードを戻し、匠と更衣室にあるシャワー室へ。




"……あ、響先行って。タオル忘れた"

"おー"





一旦別れ、先に向かう。

スマホをみると、愛から連絡が来ていた。


"ーーーーーー20時にスマホみてね"




…………何かあるのか?

愛は今、笠井とシンガポール旅行中。
とりあえず了解のスタンプ送り、前を向くと






"ーーーやっぱり諦められない"


さっきナンパしてきた女がいた。






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