幸せのかけら







"………………甘いよ"


"しょうがないだろ"








響の優しさに、思わず抱きつく。




"………響、すき"


"家の環境とかあるんだから、違うのは当たり前だって。
愛も溜め込まずに言えよ?"

"うん"


"そういうことをひとつずつ解決して、俺のこと受け止めて"

"うん"




おでこ、鼻、頬、耳

順調にキスされ、より甘さが増す。







"………響、先にシャワーの方が"


"ムリ、待てない"


"さっきベッドは綺麗な状態で入りたいって"


"それとこれは別。
はい、ばんざいして"







………話が違う!

そうむくれると、何故か笑われた。





"………愛と一緒なら、何だっていい。
それに今は2人きりで、誰にも邪魔されないし、少しこの時間を堪能させて。
ーーーケンカするのはいいけど、離れるなよ"




ほんと、響にはかなわない。

恋は盲目。

もういっそ、一生盲目でいいとさえ思った。










ーーーーーーもともと早起きして、朝の街を散策する予定だったのに、寝かせてもらえなくて、寝坊して出発時間ぎりぎりになってしまいケンカするのは、このあとすぐのお話ーーーーーー









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