幸せのかけら






ーーーーーー響がいつか一緒に仕事したいと願っている人。





"はじめまして、山中愛と申します"



"まあまあ、そんな固くならず。
ちょっと新人の様子をみてすぐ帰ろうと思ってたんだけど、今日は来て正解だったな"


"………響は、会社でどうですか?"


"モテてるかって?"


"いいえ、そうじゃなくて……。
まあさっきから一部の視線は痛いですけどね"







ーーーきっと響を狙ってる人もいるんだろう。

今まさに呼び止められてるし。









"ーーー頑張ってるよ。
よっぽど山中さんと離れたくないんだろうね"


"……ありがとうございます。
でも、橘さんの存在が大きいと思います。
いつか一緒に仕事がしたいって言ってました"


"ーーーそれは嬉しいな。
実はこういう人事に関わるの初めてだから、自信になる。
ところで質問なんだけど"





キリッと目付きが変わり、背筋が伸びる。






"ーーー彼が本社勤務じゃなくて、地方になったらどうする?"







それはまるで、本社勤務の可能性がないような言い方。

それとも試されているのか。

部外者がどこまで突っ込んでいいのか悩むけれど








"ーーーーーー何も変わりません。
彼とずっと一緒にいるだけです"









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