幸せのかけら









ーーーーーー駆け引きとか、好きじゃない。


フェンス越しに響が私の知らない人たちに囲まれてるのが見える。







"たとえ離れたとしても、同じ環境にいなくても、
私の気持ちは変わりません"


"ーーーーーー強いね"


"いいえ、これでも必死なんです"







橘さんの表情が元に戻った気がする。


"まだまだこれからだ。
響も、そして山中さん、キミもね"
















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"愛、おまたせ。
橘さんは?"


"帰ったよ"


"そう。
レモンちょうだい"



近くのベンチに座り、はちみつレモンを食べる響を覗きこむ。



"ーーー見られてると食べづらい"


"同期のコからもらってないの?"


"え?
あー、みんなに最後配ってたけど。
俺はもらってない。愛のがあるし"


"……(そうきたか)"


"何かあった?"




"ーーーーーー響、モテモテだなと"

ちょっといじけたように言ってみる。




"ーーーやきもち?"

"うん"

"即答かよ"


"ーーー不安なんだもん。
それにこれから毎日会えるわけじゃないし、意志疎通は大事でしょ?"










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