幸せのかけら
癒し。
"ーーー黒崎、もう終わるか?"
"はい"
仕事にも慣れ始め、プロジェクトのチームに入れてもらったりと、だんだん難しさと楽しさの両方を感じるようになっていった。
家に帰るとそのまま寝てしまうこともある。
料理もする気になれなくてコンビニで弁当買ったりと、改めて親の有り難さを感じる。
切りのいいところまで少し残業し、上司に挨拶して、自転車置き場へ。
今日は愛が来る日。
たまたま3連休取れたようで、絶対に空けといてねと前から念押しされていた。
カレンダー通りの休みの俺とは違い、土日祝関係なく仕事がある愛。
合うときは会えるし、合わないときはほぼ電話でのやり取りだった。
寂しくなることもあるけれど、お互い仕事や友達との時間も大切で……そこはお互い理解し合えてる気がする。
ーーーーーー愛の好きなアイスでも買って帰るか。
会社近くのスーパーに寄って、すぐさまマンションへ。
鍵を開けて、声をかける。
"……ただいま"
"ーーーおかえり!!"
エプロン姿の愛に、何回見ても慣れない自分に顔が緩む。
"少し残業してた。
悪い"
"いいえー。
仕事お疲れ様"