幸せのかけら
"ーーー響?
もうベッドいく?"
"いや、もう少しこのままで"
眠たいなら移動しようよと、腕の中でちょこちょこ動く愛。
でもムリに移動させようとはしない。
とことん俺に今日は合わせるつもりのようだ。
"ーーー仕事、大変?"
"だいぶ慣れてきたよ。
その分難しさも増すけど…
でも私の場合は休みの融通がきくから……休みのために頑張ろう!って感じかな。
ーーーこうやって連休作って、響に会いに来れるから"
俺の手に触れる温もり。
"ーーー平日休み羨ましい"
"人少ないし、良いよ。
土日より並ばないし、旅行代金も下がるし"
"ーーー旅行いいな"
"響、有休使ってよ。
で、旅行いこ?"
ーーーーーーヨーロッパ旅行が懐かしく感じる。
あのときは、外国なこともあり
ずっと2人で一緒にいた。
愛を独り占めできた時間。
"ーーー今のプロジェクト終わったら、旅行いくか"
"ほんとに?"
"ああ。
上司に聞いてみる"
旅行の約束が嬉しかったのか、後ろを振り返り、キラキラした瞳でみてくる。
"約束だよ?"
返事の代わりにキス。
嬉しさからなのか、濃厚さが増す。
"ーーーベッドいこう"