幸せのかけら







"……仲良くやってると思いますよ?"


"なら良かった。
私たちって休み不定期だから、なかなか会えないでしょ?"





先輩にも彼氏がいて、よくお互いの近況報告をする。


私より5個上の先輩。


結婚も考えているようだ。








"またゆっくり先輩の話聞きたいです"


"うん、お互いにね。
よし気合い入れて帰ろうか。
雨…降ってるみたいだよ"






ーーー今日はあいにくの雨。


疲れた体をなんとか動かしながら、先輩と更衣室へ。


タイムカードを押して、外を出ると、
予報通り雨が降っていた。








"山中さん、傘は?"


"あ、大丈夫です。
カバンの中に折り畳みが……………"













"ーーーーーーーーーーーー愛。"














聞き間違えるはずない声。


疲れでおかしくなったのかと思いながら、その声の先をたどると







"…迎えにきた"


少し照れくさそうに、私の元へやってきた。













"ーーー響?
なんでーーーーーー"



"……たまには俺から会いにいこうと思って。
今週末はこっちにいることにした"






ーーー突然過ぎて声が出ない。




"山中さん、もしかして彼氏?"


隣に先輩がいることも、少し忘れてしまっていた。





"遅くまでお疲れ様です。
愛がいつもお世話になってます"


"いえいえ、こちらこそ。
……もしかしてサプライズ?"


"まあ、そんなところです。
いつもこんな遅くまで仕事なんですか?"








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