幸せのかけら
"ーーー久しぶりだな、外出るの"
"最近は響の家が多かったもんね。
居心地いいんだもん"
うどんを食べて再び車の中。
金曜は仕事が終わったらすぐ帰宅してたから、花金デビューできて嬉しくなる。
"響。
どこに行くの?"
"……愛、明日仕事だから帰そうかなと"
"え!
まだ大丈夫だよ。帰りたくない"
寂しくなり、思わず腕を掴む。
"ーーーいいのか?"
"たまには夜更かししても大丈夫。
一緒にいたいの"
"ーーーーーーじゃああと1箇所だけ。
親に連絡入れとけよ"
"……このままどこか泊まりたい"
ーーーちょっとワガママを言ってみる。
まだ離れたくて
響の仕掛けたサプライズは効果てきめんだ。
"ーーー俺だって一緒にいたいけど、今回は我慢する。
一応社会人だし。
明日朝迎えに行くから。それまで大人しく待ってて"
"朝だけ送ってもらうって…"
"俺がそうしたいの。
で、明日は自転車で帰れよ"
"………何そのツンデレ。
余計会いたくなる"