幸せのかけら









"ーーーーーー響"


"…………………え、愛?"



"雨が降ってきたから、傘持ってきたの。
ーーーお邪魔だった?"







チラッと腕へ視線を移すと、響は力強く振りほどいた。




"きゃっ!
響先輩ーーー"


"彼女に誤解されたら困る。
早く飲み会行けよ。
あと、前も言ったけど
後輩としか思えないから"




早口に告げると、私のところへ駆け寄ってきた。




"ーーー愛。
迎えさんきゅ"


"…………濡れるよ、早く入って"






ーーーチラッと彼女を見ると、悔しそうな表情。


なんて声かけたらいいのか
いや、声をかけない方がいいのか悩んでいると






"ーーー噂通り、なんですね。
先輩、すみませんでした。
彼女さんとお幸せに"



"あ、あの!
彼のことは必ず、幸せにします"




とっさに出た言葉。

思わず口を抑えるけど手遅れで。



彼女はびっくりしてたけど、笑顔で頷いてくれた。






"ーーーこれは、完敗ですね。
先輩、飲み会行ってきます。
お疲れ様でした"
























< 149 / 160 >

この作品をシェア

pagetop