幸せのかけら
研究室で。
ーーーいつもの研究室。
今やってる研究が上手くいかなくて、ちょっとイライラしていた。
"愛、どうだった?"
"結ー、もうやめたい。
ちょっとずつ良くなってるけど…結果がバラバラで"
研究室に入ってから、研究のほんとの難しさを知った。
結果がすべてで、その過程を見てくれない。
1つの結果を出すのに、どれだけ時間がかかるか…改めて研究している人を尊敬する。
"また明日やり直しかな"
"でも…そうなると、3日間連続で7時半スタートなんでしょ?
ちょっと休んだら??"
"うーん。
そうなんだけど、私来週発表だから間に合わなくなるし…
大丈夫!
明日頑張れば、お休みだし"
心配そうにみる結に、大丈夫!と笑顔をみせた。
"今日は早めに帰りなよ"
"うん。
ありがと"
結も自分の実験に戻り、私は明日やる実験の計画を立て始めた。
電卓で計算するためケータイを取り出すと、響から連絡がきていた。
特に決めたわけじゃないけど、ほぼ毎日連絡をとっている私たち。
回数は多くないけど、私にとってはほっと息抜きできる貴重な時間だ。
"実験上手くいった?"
……そういえば、昨日話聞いてもらったんだ。
もう時間の感覚もなくなってる自分に、思わず笑ってしまう。
"ダメだった……
また明日頑張るよ!!"
よし!!
と気合を入れて、自分の実験と向き合った。