幸せのかけら





"ーーーん、響待って"



"待たない、待てない。
さっきは悪かった。
先週コクられて、きちんと断ったんだけど。
でも愛しかいらない。
今からちゃんと伝えるから"










ーーーいつのまにか、ベッドの上で。

野獣の目をした響。

どうやら、完全にスイッチが入っているらしい。







"響ーーー待って"


"愛、好きだ"


"だ、だから。
ちょっと待ってってば!"






響の醸し出す雰囲気にのまれそうになるが、さっきのことをまだ根に持ってる私は、力を振り絞って響を押し倒した。








"ーーー愛?"


"今日は私がやる"


"ーーーまじ?"







ゆっくりワイシャツのボタンを外す。

顔を見るのは恥ずかしくて、誤魔化すように首もと、鎖骨にキス。

いたずら心が芽生えて、シャツからギリギリ見えないところにキスマークをつけた。




その間も、響は少しピクリと反応して可愛い。




すべて外し終え、ゆっくり目を合わせると。




"ーーーこれ、ヤバい"







暗い部屋でも分かるくらい、真っ赤な響。


"ーーー自分が誰の彼氏か自覚した?"


キスマークに触れながら、微笑んでみる。












ちょっとスッキリした私は、改めて響をみる。



鎖骨あたりに赤い花。


上半身裸に、上気した頬。



ーーーやきもきからの衝動とはいえ、やっと自分が何をしたか把握し、一気に恥ずかしくなってきた。








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