幸せのかけら
男だけの夜。
"ーーー響、こっち"
"おー、お疲れ"
ある週末の金曜日。
ひとり暮らしを始めてから、初めて匠と飯。
匠は病院で働いていて、今はひとり暮らしをしている。
今日はこのまま俺ん家に泊まりの予定。
"ーーー定時、ぴったりだな"
"皆週末は早く帰りたいんだよ。
今は落ち着いてるからな"
卒業してから、何人かと会うときに顔合わせていたが
2人は久しぶりかもしれない。
"ーーー最近どう?"
"おおざっぱすぎね?"
"いや、何話そうかと思って。
真面目に仕事の話?"
"話したかったらどーぞ"
とりあえずビールで乾杯し、簡単に仕事の話。
環境は違うが、頑張ってる人の話を聞くと刺激になる。
"響、車買うんだ"
"次のボーナス出たらな。
この前見に行って、どの車種にするかとか決めてある"
"よく決断したな"
"この先必要だと思ったから。
匠だって車持ってるだろ"
"中古だけどね。
でも維持費が大変だから頑張って"
"………今から買うんだからビビらせるなよ"