幸せのかけら




……やば、さすがにちょっと疲れたかな。



一通り明日の準備が終わると、はりつめていたのか、どっと疲れを感じた。





……頭痛い。


ズキズキと痛み、こめかみを押さえる。








"愛ー、この試薬なくなったんだけど。
作るー??"


"あと何本あるの?"


"7本"


"それは心配だね。
よし!今から作るか!"


"いいよー
愛はまだ実験中?"



"終わったとこ。
今から私もやるよ"


"ありがとー
じゃあ私準備してるから、区切りついたら来て"






…もう一仕事頑張りますか。



それに友達と話してる方が、頭痛もましになるかも。



ゆっくり立ち上がろうとすると、









"愛、お客さん"




"誰ー?"





"愛しのダーリン"



"おい、笠井<カサイ>。
その言い方やめろ"






結の後ろから、響の姿がみえた。









"愛、俺今から休憩なんだ。
付き合ってよ"



"で、愛はそのまま帰りなよ"



時計に目線を向けると、定時の17時を少し過ぎていた。







"でも、これから試薬を…"



"私がやるから。
ほら、早くバカップルは帰りなさい"





いつまとめたのか、私の鞄を押し付けてきた。








"俺は休憩だって"



"ハイハイ。
黒崎<クロサキ>もそのまま帰ったら?"








……2人の優しさが伝わってくる。






まだ言い合ってる人を交互にみながら、笑みがこぼれた。






"結、響…ありがとう"





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