幸せのかけら
"でも、久しぶりだね。
研究うまくいってる??"
"毎日、連絡遅いの知ってるだろ。
課題増やされたし"
私たちは薬学部(6年制)の大学5年生。
4年生からそれぞれ研究室に配属され、卒業論文を書くために研究をしている。
"初めて話したときも、書類いっぱい持ってたもんね"
"…俺、絶対目つけられてる"
クスクス笑う響をみて、1年前を思い出す。
私たちは研究室が隣。
顔を何となく知ってたけど、響が廊下で持ってた書類をばらまいたことから始まった。
それから廊下で話すようになって、何人かで遊んだりして、2人で遊ぼうって誘われたのがこの花火大会だった。
そのときに響に告白されたんだけど、何て言われたんだっけ…………確か
"愛、あそこ空いてる。
シート広げよ"
響の言葉に考えるのをやめ、シートを2人分の大きさまで広げる。
"何か食べよー"
"俺、フランクフルト"
"私は……かき氷!!"
去年と同じセレクトに、顔を見合わせ笑う。
"ずっと気になってたんだけど……"
"何?"
"響って、いつから私のこと好きだったの?"