幸せのかけら
"ここからは、私の思い付くひとつの考えです。
皆さんは将来、薬に関わる仕事につく人が多いでしょう。
では、何故薬というものがあるのでしょう?
ーー病気を治すためだとしたら。
何故、病気を治したいのでしょう?"
さっきまでコソコソ聞こえてた会話もなくなっていた。
隣で別のことをしていた結も、手を止めていた。
"ーーそれは、生きたいからです。
では、何故ヒトは生きたいと思うのでしょう?
悲しいことに、ヒトはいつかは天国へ旅立ちます。
きっとこの中に、大切なヒトとお別れをした人もいるかもしれません。
皆さんの方が詳しいと思いますが、病気と闘っているヒトはたくさんいます。
闘うために飲んでいる薬の副作用で、大変な思いをしている人もいますね。
それでも、何故ヒトは生きたいと願うのでしょうか?
何故、皆さんのような薬のプロである薬剤師という職業が存在するのでしょうか?"