幸せのかけら






先生の声が、まるで包み込むように響きわたる。



優しく問いかけるように、でも答えを急かさない。






"ーー私はふと怖くなります。


何故存在するのか。


チョークにしても、薬にしても、こうやって問いかけていくと、最終的にヒトにたどり着くのです。






よくよく考えれば、すごいことだと思いませんか?



地球という星が生まれ、そしてヒトが創られ、私たちは今顔を合わせています。




いつ天国へ旅立つか分からない。

旅立ったあと、どうなるのか分からない"










ーー先生の話で、昔の記憶がよみがえる。





大好きなおばあちゃんとのお別れのとき、夜眠れなかった。



もう会えない寂しさ。



ヒトの儚さ。



おばあちゃんはどこにいったのか。



そして自分はこれから先どうなるのだろう、と。





















"ーーーーーーでも、こうやって考えると



より一層、今が大切に感じませんか?"













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