幸せのかけら
"ーーーーこうやって皆さんに問いかけていますが、私もまだ答えが見つかっていません。
年を重ねると、またその日によって答えが変わったりします。
皆さんは……どんな答えを出すのでしょうか?"
先生の講義はあっという間に感じた。
そして、最後にこう締めくくった。
"ーー皆さんは、薬剤師という本当に素晴らしい道を選ばれましたね。
と同時に、難しい道だと思います。
どうか、今日の話が皆さんの何か考えるきっかけになれば嬉しいです
ヒトに寄り添う、温かい薬剤師になることを祈っています"
ぞろぞろと出ていく中、私は響の姿を探した。
"ね、愛。
今日の講義良かったね"
"結、真剣に話聞いてたもんね。
私もいろいろ考えちゃった"
"医療現場で働くってなると、避けられないことだよね。
きっと薬剤師だからってことではないんだろうけど。
私も…実習中のことを思い出したわ"
"うん、そうだね。
職業は関係ない気がする。
私も親戚とお別れしたときすごく考えたし…"
"……なんか友達と会いたくなったわ。
会えるときに会わないとっていうか…
愛、近々ごはんいこ"
"行く行くー。
いつに…"
"とりあえず、今日は遠慮してくれよ"