幸せのかけら
"愛は………地元の病院希望だったよな"
ゆっくり頷く。
私は実家から通える距離の病院薬剤師を希望していて、以前響にも話していた。
けど、響がどうするのか今まで聞けずにいた。
友達の中には、彼氏が彼女に勤務地を合わせた人もいる。
また、逆に彼女が彼氏についていく人もいる。
"ちゃんと……響の話聞いてなかったから。
響はどうするのか聞きたい"
私たちは、大学を卒業してどんな付き合い方をするんだろう。
"私と同じ地元が就職して
………とか言うつもりはない。
響には響の人生があるし、私は口出しするつもりはない。
だけど、私は響の彼女でいたい。
響は……どう考えてるのかなって"
ーー私とのこと、少しは考えてくれてますか?
響の大切な人の中に、私は入ってますか?
"この体勢なのに、なんか突き放された気分"
"え?"
"いや、愛らしいなと思って。
離れたくないって泣いてくれるかと思ってた"
"そんな……響の人生だもん。
私が決めてどうするの。
でも離れるってことは………"
"愛"
頬に触れ、優しくそっとキスをした。
心地よい体温に、私は続きをねだった。
"もう1回"
"……ここがベットの上って分かってる?"
苦笑しながらも、私の望みを叶えてくれた。
"正直、悩んでて。
愛に言うタイミングが分からなかったんだ。
それは、ごめん"
ゆっくり上体を起こし、私の肩に手をおいた。