幸せのかけら
ーーーー素直なんだか、強がりなんだか。
愛が眠ったあと、ひとり愛の顔を眺めていた。
いつも以上に甘えてくる姿がかわいくて、少しムリをさせてしまった。
久しぶりの2人の時間に、とても心が穏やかになる。
ーーきっと、こうやって好きなときに会うってこともこれからは難しくなるだろう。
今だって、就活に勉強にやらないといけないことたくさんだ。
愛との時間が少なくなることに不安と寂しさを感じるのに、愛は平気そうにみえる。
勤務地の話のときだってそうだ。
地元にしてって強制されても困るんだけど、離れたくないって泣きついてきて欲しいという気持ちもある。
ま、表情や態度は素直なんだけど。
俺がいなくても愛は平然としてそうで、慌てて朝会うことを提案した。
繋ぎ止めるのに必死なのは、いつも俺の方だ。
それだけ愛のことが好きなんだからしょうがない。
"ーーーー今が大切か"
今日の講義の話を思い出す。
先生の話を聞いてるとき、自然と前の席に座っていた愛に目線がいった。
これからのことは分からない。
だけど
今感じる、この温もりを離したくない。
抱き締め直そうとすると、愛の方から寄り添ってきた。
"頼むから、離れたくないでくれよ。
自分が思ってる以上に、愛の存在は大きいんだよ"
おでこにキスを落とし、ゆっくり目を閉じた。
ーーーーーー私も、大好き。
内容はちゃんと覚えてなかったけど、その日みた夢はとても幸せなものだった。