幸せのかけら







"ーーーーーー響?"



"迎えにきた"



"なんで?"






"今からなのに。
黒崎、早く来すぎ"



"呼んだのそっちだろ。
つーか、今のわざとだったし"








どうやら結が呼んだらしい。


響が私の隣に座りながら、店員にコーヒーを頼んだ。







"響、私もうそろそろ……"




"車で来たから大丈夫。
家まで送る。
ついでに、笠井も送るよ"



この前協力してくれたお礼、と付け足した。






"歩いてすぐだからいいよ。
黒崎、運転できるんだ"



"たまにだけど。
ここまで来れたから大丈夫だろ"


"え、そうなの?
愛は乗ったことあるんだよね?"



"旅行行ったときに1回だけ。
安全運転だから大丈夫だよ。
また助手席乗れるの嬉しい、ありがと"




響に笑顔でお礼を言うと、何故か顔をそらされた。








"と、とにかく、俺からもお礼するわけだし、愛をいじめるのは終わりな"



"えー、素直に答えてくれるからもっと聞きたかったんだけど"





なんとか解放されて、ほっとする。


とりあえず、まずは確認しておこう。






"なんで響がここに?"



"やっぱり帰り心配だったから、私から連絡した。
勝手に黒崎に連絡してごめん"



"ううん、気遣わせてごめんね。
響もわざわざ出てくれたの?"




頼んでたコーヒーを飲みながら、何故か睨んできた。






"愛、変な車がいるって話、俺知らないんだけど。
あとで説教な"




一気に飲むと、立ち上がった。








"さあ、帰るぞ"














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