幸せのかけら




たまたま、響も外で友達と遊んでたらしい。


次の日が大学のときはお酒を飲まないって決めてるため、わざと車で行ったんだと話してくれた。





車を少し離れたところに止めたらしく、結の家まで歩くことにした。




"送ってもらってごめん"



"当たり前!!
ひとりじゃ危ないよ"



"送ってくれるやつ、早く作れよ"



"黒崎、ちょっと黙って。
愛も惚れるくらいイイ男と出会う予定だから。
黒崎は愛が逃げないように捕まえときなよ"



"はいはい。
笠井を大人しくさせられる奴がいるのか知らないけどな"









……両端でバトルするのやめてほしい。


そんなふたりに挟まれながら、この時間が続けばと思った。








"じゃあ、結おやすみー"


"また明日、学校でね。
黒崎、送り狼にならないようにね‼"









結にお礼を言い、響の車がある場所へ向かった。








"響、迎えにきてくれてありがとう"



"笠井から連絡きたとき、もうお開きだったから。
タイミングよくて良かったけど……"





ちょうどコインパーキングに着き、車に乗り込む。









"さて、これからどうする?"



"帰ります。明日大学だし"



"なんで不審な車がいること黙ってた?"








……今から説教か。


なかなか車を出そうとしない響にゆっくり向き合った。




"不審なのか分からないし……私が勝手に怖がっただけだから"



"女ひとりで帰らすのいつも悪いと思ってたんだ。
俺のためを思うなら、言ってほしい。
これからはちゃんと言うこと。
分かった??"



"………はい"




"いつもマシンガンのようになんでも話すくせに、変なとこ遠慮すんなよ"




"……はい"




響の言うことはごもっともで、大人しく話を聞いた。








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