幸せのかけら





"心配するの、俺だけじゃないんだよ。
だから笠井も連絡してきたんだろ"



"………はい"



"休日会うときはこれから21時には解散な。
それか俺が送る"



"………はい"



"で、どうやって俺の機嫌をとる?"



"………はい?"



"このまま、2人になれるところにいく?
さっき、愛からお褒めの言葉もらったし"






………………さっき?


結との会話を思い出し、だんだん顔が熱くなる。


手の甲を頬にあて、熱を冷ます。






"……響の聞き間違いじゃない?"



"隠さなくていいって。
………分かってるから"



機嫌直さなくていいくらいニコニコしながら、私の頭を抱えておでこにキスをした。







"でも、もう笠井に協力頼むのなしな。
あーいうことは、俺にだけ話してくれればいいから"




"きょっ、響にも結にももう話しません!"






"はいはい。
よし、じゃあ帰るぞ"








上手く丸め込まれた気がしたけど、とりあえず家まで送ってもらう。



特に門限とかもなく、日付変わってから帰ることもあった。


それでも、こうやって気にかけてくれることを知ると嬉しくなる。









"……あ、結からメールきた"



"なんて?"


"送ってくれてありがとう。私はもう寝ます。
だって"



"寝るの早いな"



"……明日の朝、起きれそう?"



"ムリ。
愛、電話して"



"ん、分かった"








響の運転する姿をチラチラ盗み見しながら、あっという間に私の家の前まできた。





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