幸せのかけら





"響、ほんとにありがとう"



"どういたしまして。
明日朝ラウンジでな"


"うん!"





彼氏の車で送ってもらうシチュエーションに自然と笑顔になる。







"帰り気をつけてね。
着いたら連絡ちょうだい"









シートベルトを外して、そのまま響の唇を奪った。






"今日のお礼です"



"なっ………"


からかったつもりだったのに、響の顔は真っ赤。








凄く得をした気分のまま、助手席をあけようとすると




"今度覚悟しろよ"




後ろから抱きしめられた。









"このままだと帰せなくなりそうだから、やめとく。
また明日な"









ゆっくり響の体温が離れ、少し寂しくなる。








"そんな顔するな、ばか"



思わず響をみると、コツンと頭に触れられた。



軽くキスされ、続きをねだる。







何度か繰り返し、ゆっくり離れた。


















ーーーーまた、明日。



明日になれば、また会える。




それでも

今日は今日。

時間が戻るわけではない。





親友と彼氏と過ごす一夜にとても幸せを感じた。





< 44 / 160 >

この作品をシェア

pagetop