幸せのかけら
"響、ほんとにありがとう"
"どういたしまして。
明日朝ラウンジでな"
"うん!"
彼氏の車で送ってもらうシチュエーションに自然と笑顔になる。
"帰り気をつけてね。
着いたら連絡ちょうだい"
シートベルトを外して、そのまま響の唇を奪った。
"今日のお礼です"
"なっ………"
からかったつもりだったのに、響の顔は真っ赤。
凄く得をした気分のまま、助手席をあけようとすると
"今度覚悟しろよ"
後ろから抱きしめられた。
"このままだと帰せなくなりそうだから、やめとく。
また明日な"
ゆっくり響の体温が離れ、少し寂しくなる。
"そんな顔するな、ばか"
思わず響をみると、コツンと頭に触れられた。
軽くキスされ、続きをねだる。
何度か繰り返し、ゆっくり離れた。
ーーーーまた、明日。
明日になれば、また会える。
それでも
今日は今日。
時間が戻るわけではない。
親友と彼氏と過ごす一夜にとても幸せを感じた。