幸せのかけら
"ーー山中さん"
結と研究室で勉強していると、響の友達の河野<コウノ>くんが訪ねてきた。
"ちょっとさ、話しない?
謝りたいし"
"河野くんは悪くないよ。
それにごめん。私……"
"匠、あのバカに言っといて。
次会ったらぶん殴るって"
"ちょっと、俺は山中さんに…"
河野くんは何か言いたそうだったけど、その言葉を無視して、結が追い出してくれた。
正直、私としては有り難かった。
"結、ありがとう"
"愛を悲しませた罰。
ほんとにぶん殴るからね"
自分のことのように怒ってくれる結。
親友の優しさに触れ、涙が出そうになった。
ーーーーきっかけは河野くんとの会話からだった。