幸せのかけら
就職活動も本格化してきて、私は無事地元の病院から内定をもらえた。
響も何社か内定をもらってるけど、本命があるからとまだ就職活動を続けていた。
毎朝会うのも続けていたが、研究の学会発表準備と就職活動で寝坊してしまうことも多かったから、一旦お休みすることにした。
響と会う時間が少なくなったけど、それでも今は大切な時期だからと私も納得していた。
今は、これからのために頑張るべきだと。
ーーーーけど、1ヶ月前から響からの連絡が来なくなった。
こんなこと今までなくて、よっぽど忙しいのかなと思い、時間空いたら連絡ちょうだいって打って、様子を見ていた。
"おっ、山中さん"
"河野くん、久しぶり"
気がついたら、講義が少なくなる夏休み。
響の姿を見ることもなくなっていた。
"就職先、決まったんだって?
響から聞いた。
おめでとう"
"ありがとー。
響は研究室でも忙しそう?"
"まぁ忙しくしてる。
研究もあるし、多分回りが内定もらい始めてるからプレッシャーもあるんだろうな。
山中がそばにいるから大丈夫だと思いけど"
………私じゃ頼りなかった?
私も、内定もらってるから?
"支えたい気持ちはあるんだけど、なかなかね。。
ご縁っていうのもあるしね。
もう内定もらってるところが良いのかもしれないね……"
"え、山中さん。
誰の話してる?"
"響の話でしょ?"
話が噛み合わず、難しい顔をした河野くんに呼び掛けようとすると、