幸せのかけら



"先のことは分からない。
けど、俺は愛のことが好きだ。
付き合ってください"



これから先もずっと一緒にいよう、ずっと好きだ
とか言わないのか

と心の中でツッコミを入れたのを覚えてる。



けど、根拠のない言葉より
今の素直な言葉の方が嬉しかった。

これからのことは分からない。
ただ私は一緒にいたいから、響にもそう思って貰えるように、私も響を思いやろうと意気込んだっけ。








"愛、なんか言えよ"



ポロポロ涙を流す私の目尻を拭い、軽く抱き寄せた。

私に触れる手にも同じ輝くものを見つける。


その優しさに、胸が温かくなる。

思いが込み上げ、響の肩に手をのせ、そっとキスをした。




"ばっ、、人がいる"


"響、大好き。
ありがとー"




ぎゅーーっとしがみつくと、響は軽く息をはき、抱きしめてくれる。




"1年記念だから。
つけれるときはつけろよ"


"うん、本当に嬉しい"



"愛、好きだ"




不意討ちの告白に、
ああ、この人が彼氏で良かった
と思った。




"やべ、今日帰したくない"


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