幸せのかけら
"響にはもったいねー"
"笑った顔見たか?!
酔ってるのかふにゃって……まじ可愛い‼"
"……ただいま。
何の話してんの?"
戻ると何故か1箇所に集まって熱く語る奴らがいた。
むさ苦しい。
"山中さんだよ‼
あんな素直な人、なかなかいねーぞ‼"
"俺たちのこと、いい人だって……
響と別れて、オレと…"
"あほか"
……確かにちょっと酔って、頬が赤くなってて可愛かったけど
って俺まで何考えてんだ。
"河野、これ"
"吉川、何これ?
ラブレター?"
吉川からもらった可愛らしい封筒。
絶対、女物だ。
"山中さんが帰るときに握らされた。
河野が戻ってきたら渡してくれって。
中身何かだいたい分かるから断ったけど、負けた"
なんだろう?
中身をあけると、お金と急いで書いたのか走り書きのメッセージカード。
ーー今日はありがとう。
響のこと、これからもよろしくお願いします。
"……ほんとに、いい女だな"
俺の小さな呟きを、吉川は何か考えるようにゆっくり頷いた。